湯浅誠氏講演会 「なんとかしよう!子どもの貧困」を開催しました。

2月15日(金)横浜市西区 崎陽軒本店の会議室において、湯浅誠氏講演会
「なんとかしよう!子どもの貧困」を開催いたしました。

当日は、午後から雪が降り出しお足元の悪い中ではありましたが、167名の方に
お越し頂きました。ご参加くださいました皆様、どうもありがとうございました。

今回の講演会には、多くの方からお申し込みをいただきました。残念ながら定員
オーバーのため、一部の方のお申込みをお断りする結果になりましたことを心よ
りお詫び申し上げます。

お金がない。つながりがない・・・
その結果、自信がない。それを貧困と言っています

「お金がない。つながりがない。その結果、自信がない。それを貧困と言ってい
ます」と説明する湯浅氏。

貧困には「黄信号」と「赤信号」の2種類あり、赤信号は目立つ。誰でも分かる
状態だが、赤信号になってしまうと行政、専門家が対応しないと難しく、手間も
お金、時間もとてもかかり大変。
だから、私たち大人が「赤信号」の前の「黄信号」を見逃さずに対応することが
重要、と続けました。

一方、「黄信号」は、学校にも普通に通っていて、一見外からは分からない。
そして、子どもたちが黄色信号から赤信号を灯すことになるまでの過程を
「修学旅行に行けない」ことを例に話してくれました。

修学旅行に行けないことが退学になるのか?進学できないのか?修学旅行に行け
ないだけ。でも修学旅行は、行くことだけで終わりでなく、行くまでにみんなで
どこに行くのか話し合ったり、準備をしたり、行った者同士で共通の思い出ができ、
終わった後も思い出話で盛り上がったり。ところが、経済的な理由で修学旅行に
行けなくて、その輪に入れず、ひとりぽっち、疎外感を感じる。

修学旅行だけでなく友達付き合いは、お金がかかるので色々な理由をつけて、誘い
を断る。そんなことをしているうちにどんどん孤立し、誰にも自分のことを話せな
い。助けを求められない。
こんな黄信号を発している子どもたちを見逃さず見つけられれば、赤信号にならな
いで済む子どもたちもいるかも知れないと湯浅氏は語ります。

また、子ども食堂のお話のなかでお鍋をみんなでつつくのは、テレビの中の話だと
思っていた子どもが「家でお鍋を食べたことがない」と言った時の周囲の反応を見
て、自分の家が他の少し違うことに気付いたそうです。
様々な経験、多様な人たちと関わることが貧困の連鎖から抜け出すキッカケになる
可能性があり、それゆえに体験を共有する場としての役割も子ども食堂としては、
重要だと話してくれました。

とても分かりやすい言葉でご自身の生い立ちやバラエティーに富んだ事例を笑いを
交えてお話しいただき、会場全体が温かい空気になりました。

今回は、湯浅誠氏の講演に加え、高校生のための無料カフェの運営を行っている、
公益財団法人よこはまユースの尾崎万里奈氏から、高校生の居場所づくりについ
て事例報告をいただきました。

公益財団法人よこはまユース、NPO法人多文化共生教育ネットワークかながわ、
NPO法人横浜メンタルサービスネットワークの3団体が、横浜市立横浜総合高校
(横浜市南区)の校内で週1回開催している定時制に通う高校生のための無料の
カフェ「ようこそカフェ」は、2016年10月5日にオープン。毎回200人近い高
校生が立ち寄り、無料で提供されるドリンクやお菓子、軽食を片手に、友人とお
しゃべりしたり大学生や社会人のスタッフ、地域の大人と交流しています。
ここでの「つながり」や「体験」が、彼らの自立を促す役割りを担っています。

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講演会の最後に事務局より、当財団の活動状況報告を行った後、第2期奨学生
募集のご案内及びご寄付のお願いを申し上げたところ、お帰りの際、ご寄付を
お寄せいただいたり、後日、多くの方が賛助会員として新たにご登録頂く等、
支援の輪の広がりを実感しています。
『貧困をなくすために、私たちできることがある』
この講演会で知り得たことをより多くの皆さんと共有し、貧困に陥る子どもがな
くなるよう、当財団は今後も様々な団体と連携・活動してまいります。

当日は、大勢の方にアンケートにご協力いただきました。
今回の講演会に参加された方の感想をご紹介します。

・実際にその取り組みに参加した人の声を交えた話しで、とてもリアルが伝わり良かった。
私は現在大学1年生で色々な希望、理想を持って、社会福祉を学びに進学したものの、現状を知る度に自分の無力さ、何ができるのかという消極的な感情を持つ機会が増えてしまっていましたが、福祉と直結しない団体もどんどんアクションをおこしている、難しく考えることはないという湯浅さんのお話を聞いて、もっと前向きに学んで、何ができるのか考え、行動に移していこうと思いました。ありがとうございました。(10代)

・教員をしています。現場にいると湯浅さんのおっしゃっていた「黄信号」にあてはまる児童・生徒が非常におおいこと、肌感覚で日々痛感しています。尾崎さんがご説明くださった事例もそうですが、社会との関わりをどのように持つ(持ちたいと思うようになる)こと、その一助として、サポーターとしての活動に関わりたいと思う人が増えるといい(それが当たり前になる)と思いました。母の代理として参りましたが、ぜひ申し込みたいと思いました。(20代)

・私もごはんが満足に食べれなかったり、学費を払えなかったり暴力がある家庭で育ち、先ほどの高校生のように、お金がなくて人との付き合いを断っていました。今でも人づきあいが出来なく子供にも手を上げ、児相にも相談したりしていますが、解決策は見当りません。子供も同じ様に友人がなかなかうまく出来ず連鎖を恐れています。(30代)

・よこはまユースさんの活動をもっとたくさん知りたいと思いました。貴重なお話をありがとうございました。(30代)

・日本の中でも貧困で苦しんでいる人がいるという事実を知り、これから何ができるのかを考える良い日となりました。学習支援や募金活動などを個人だけではなく、企業としても支援及び積極的に取り組んでいきたいと思います。また、この活動を多くの人に知っていただければと願っています。(30代)

・講演を聞く事が出来てよかったです。つながり=貧困対策、黄信号は青信号のふりをしている、21人の高校生の言葉など忘れずにいたいと思います。事例報告はまったく知らなかったので、そういう場所があるんだと心強く思います。奨学生もチラシでチラッと見ただけなので、今日参加して知ることが出来ました。考えてみます。(40代)

・多くの人々とふれあい、1人でもよいので信用できる大人と出会ってほしい。早く気づけば気付く程、自分自身で判断して使える時間が増える。私のような40代で知って欲しくはないと切に願います。(40代)

・尾崎さんの話で「相談」「支援」ということばを使わず、青少年に関心を持って当たり前をつなぐことが、とても感銘を受けました。今はPTAを無くそう、町内会に入らない、など「個」を重視しすぎる風潮にありますが、どんどん孤立を生んでいく気がします。貧困の子がさらに孤立を深めてしまう社会になってしまうことは良くないですね。奨学金支給制度は良い取組みだと思います。高校生のメッセージは切実で胸に刺さりました。生きることをあきらめないでほしいです。(40代)

・子ども食堂への認識が変わりました。出来ることをまずやりたいと思いました。(50代)

・子どもの貧困ということで、パルシステムの奨学金対象の子年代の事例が多く、予想とはちょっと違ったお話でしたが、現状というのが分かり、自分のできることやこれから貢献できる事を考えるきっかけができたと思います。今すぐは出来なくても、自分の生活が安定し、社会へ何かを返すことができないかと考えた時は、こういう活動があると知ることが出来、自分も参加可能なことが分かりました。私は昨年離婚し一人暮らしを始めました。また、昨年資格取得しましたので、これからその資格を活かして開業しようと考えています。夢を諦めずに生きて欲しいと思いました。(50代)

・湯浅さんの鍋の話は深かったです。学習支援は勉強だけでなく、その子の体験を増やし、人生の選択肢を広げることにつながるのだと知りました。事例報告では、よこはまユースが40年活動していることに驚きました。具体例が数々紹介され、良かった。活動が継続されることが大切だと思った。(60代)

・貧困とは貧乏というお金がないことだけなく、つながり、自信がないということであるというお話が1番印象に残りました。(60代)

・湯浅先生のお話は初めて聞きましたが、驚き、うなづくことが多く、自分に何ができるのか、あらためて考えてみたいです。(70代)

・このような講演会、機会を度々開催して多くに知ってもらうことは大切に感じました。見方が広く柔らかになった気か強くします。(70代)